小鳥の病院

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飼鳥の餌

ひなの餌について

3~5月はヒナ鳥が多く来院します。昔はヒナの餌として、「やわらかくしたアワ玉+青菜(小松菜をすったもの)+すったボレー粉」が定番でした。(アワ玉:むきアワに卵の黄身を混ぜて干したもの。)もちろん温かくして与えます。青菜は多めに入れたいですね。この地方では、今でもアワ玉が人気です。

15年程前から、ヒナ用パウダーフードが出回るようになりました。パウダーフードは「それだけでも小鳥が育つ」内容の商品として製造されています。本来は、アワ玉を混ぜて与える必要はありません。最近は、エクザクト(ケイティ)、バイタルパウダー(イースター)、ネオフード(黒瀬ペット)がよく使用されています。それぞれに特徴があり、味も違います。オカメインコのヒナは食滞を起こすことが多いため、アワ玉をあまり使わないほうが無難です。食滞とは、餌がそ嚢から下の消化管(砂嚢)に降りなくなってしまう状態です。ヒナは食滞を起こすと、衰弱するケースが多いです。繰り返しますが、上記のパウダーフードには十分栄養が入っているので、他にビタミン剤やカルシウム液、油分を混ぜる必要はありません。量はそ嚢5分目~8分目が目安です。ヒナの状態により消化の状況が変わりますので、さし餌の回数や量は、育っていく過程や成長の具合で変わります。個体差もあります。大量の餌を与えられ、ヒナなのに超肥満で亡くなったケースもありました。逆に、餌の与えすぎで消化できずに、痩せて衰弱したケースもありました。飼い主さんは、小鳥が痩せると心配で、無理やりでも沢山餌を与えてしまうようです。気をつけましょう。また、巣立ち前になるとそ嚢が小さくなることも忘れないで下さい。「うちの小鳥があまり食べなくなった」という相談は、巣立ち前に多いです。また、パウダーフードは、食欲が落ちてしまった「病気の成鳥」にも使います。かかりつけの獣医師とよく相談なさって下さいね。

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ペレット(固形食)について

ペレットは固形食です。内容は、小鳥が生きていくために必要なすべての栄養素が入っている・・・はずです。メーカーにより原材料は様々です。最近は鳥ブームに乗って、国内では新商品や個人ショップオリジナル商品が続々と販売されています。

さて、お使いのペレットの成分は、本当に信頼できるものですか?

(内容や製造過程は明らかにされているでしょうか。国産外国産は関係ないです。)

鳥種に合っていますか?「販売店にすすめられたから・・・。」

(それで本当に大丈夫?よく食べるから良いわけでもないので・・・。)

メーカーや販売店は本当に安全性を保証してくれますか?

(しつこくてごめんなさい。でも、何でしつこいのか考えて下さいね。

ご自分でもよく調べて下さい。

小鳥は長生きします。数十年でも小鳥が病気にならずに過ごせることが証明されている、品質の良いペレットを選んで下さいね。(ちなみに、サプリメント・栄養補助食品もです。その商品は、例えば、ご自分の口に入れても大丈夫なものですか?) また、ペレットは外国産の商品が多いです。輸入が止まると入荷しないので、万が一のため、2~3社の商品を利用することを考えておいて下さい。(万が一には、シードを使ってもいいですから。)シード食からペレット食への切り替えですが、驚くほどすんなりと替わる小鳥もいます。一方、大半は時間がかかります。(2年かかった小鳥もいました!)シードとは別の餌入れでは食べない場合が多いので、最初は砕いたペレットをシードに混ぜて慣らします。色、堅さ、香り、大きさは、メーカーにより様々です。同じメーカーの商品でも、季節によって配合される穀物が違うので、風味が変わる場合もあります。また、同様に粒の大きさが変わる場合もあります。堅いペレットが好みな小鳥がいれば、サクサクしたペレットを好む小鳥もいます。大型でも小粒を好む場合もありますし、小型でもバキバキと大きなペレットを割りたい小鳥もいます。お水につけて、柔らかくして食べる小鳥もいますね。よく食べるようになったら、一日量を決めて与えます。(製品により量が違います。)ヒナにはさし餌に混ぜて慣らす方法もあります。ペレット食でも、野菜や果物、シードをおやつとして与えることもできます。小鳥にも楽しみがあったほうがいいですよね。smiley

*参考図書 

「飼鳥のペレット読本」 眞田直子著 発行者 認定NPO法人TSUBASA

 

 

ミネラルの与え方

日本では、塩土(ミネラルブロック)、ボレー粉白(牡蠣殻)、カトルボーン(イカの甲)が一般的です。食べすぎてしまうと体調を崩すことがあります。小鳥がどの程度食べているのか、ただ破壊しているだけなのか、クチバシや頭の羽のお手入れ道具になっているのか、乗って寝ているだけなのか、全く見向きもしないのか、観察をお願いします。繁殖目的で沢山食べている場合を除いては、時間を決めて与えたり、削って少しずつ与えます。糞尿でよごれたら削って干して下さいね。

小鳥の産卵時のミネラル補給、特にカルシウムとビタミンD3の補助は、サプリメントなら「ネクトンMSA」や「カルシベット」をおすすめしています。与える目安は、産中はもちろんですが、産前産後なら約2週間。ペレット食でも、小鳥が産中産後で、ミネラル補給が必要になる場合もあります。獣医師に相談して、安全なカルシウム製剤の選び方、与え方を教えてもらって下さい。

ある飼い主さんは、インコがあまりに塩土をかじったり、転がしたりと激しい様子を見かねて、塩土をカゴから出してしまいました。それから、そのインコは身体の羽をむしってしまいました(涙)。そんな時には、替わりに、他のかじれる道具(野菜やオモチャ等)を与えてあげて下さいね。


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青菜について

青菜は毎日与えます。

小松菜・チンゲン菜・豆苗がよく利用されています。拝見しておりますと、飼い主さんは、青菜を「菜さし」に挿したり、洗濯バサミで挟んでたり、鳥カゴの金網に押し込んでいたりと様々です。

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小鳥たちは、野生では外を飛んで移動し、地面に降りたり樹にとまったりして、餌を探して1日を過ごします。それがフォージング(餌探し行動)です。小鳥は、室内では床に落ちたものを嘴で拾って歩きますよね。鳥カゴは限られた空間ですが、ちょっと工夫してみませんか?
wink

カゴの中に平らな場所を作りましょう。カゴの下には金網がついています。「糞きり金網」と呼ばれていまして、小鳥が糞をつつかないように、糞を落とすように作られています。(実際は、網に足を挟んでケガする小鳥が多いのですが・・・。)金網の上に、B5かA4程度の小さめの紙をひきます。カゴから糞きり金網をはずしてもいいです(金網は処分しないで下さい。後々看護に使えます)。その上に小さなトレイかお皿(怖がらない形や色のもの)を置き、野菜や果物を、刻んだりちぎったりして少しづつ置きます。シードを減らしているなら、シードを野菜の近くに蒔いたり、トッピングにしたりして、小鳥を誘います。
他に使える野菜ですが、ニンジン・カボチャ・レタス・白菜・サラダ菜・きゅうり・ピーマン・パプリカなど。ゆでたトウモロコシ・ゆでた枝豆やグリーンピースも使えます。果物は、リンゴやミカンが無難です。タネは与えないで下さい。野菜も果物も、季節のものをお腹をこわさないように、糞の状態に注意しながら少しずつ与えます。冷たいものは、室温に戻してから与えて下さい。
鳥種によって、ついばみやすい形があります。野菜を、小鳥の好みの形に切って与えると、より興味をひくようです。色も見えていますからね。
最初は、止まり木の上からこわがって見ていた小鳥も、日数を重ねて、少しずつ慣れてくると、「今日は何かな?」と置かれた野菜に興味を持ってくれるようになります。誘導には、1ヶ月以上かかる場合が多いので、根気よくおつきあい下さいね。
待つことも大切です。与えてはいけないものは、アボガドやネギ等。アボガドでは亡くなったケースがありました。一般に小鳥に使用されていない野菜は止めておきましょう。体調を崩している時には、無理に青菜を与えなくていい場合があります。獣医師に相談しましょう。青菜嫌いな小鳥にはサプリメント*も使えます。*ネクトンS、青菜粉(小松菜・大麦若葉他)、スピルリナ他。

 

 

 

 


 

シード(種子)の与え方

小鳥には、栄養(炭水化物・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル)をバランス良く摂らせたいですね。

さて、お宅の鳥カゴの中はどうですか?

患者さんで多いパターンですが、シード(種子)が山盛り、青菜(小松菜、豆苗、チンゲン菜など)を時々、塩土、いかの甲、ボレー粉を置きっぱなし・・・。crying

小鳥は、与えられた餌を、栄養バランスを考えて摂取するでしょうか?

いえいえ。indecision

好きなものを欲しいだけ食べます。

カゴ備え付けの「餌入れ・水入れ」は大きすぎですよね。(まるで巨大な炊飯器です!)小鳥が好き放題シード(種子)を食べた結果、炭水化物の摂りすぎで、肥満、多発情(メスの産卵過多やオスの過剰な吐き戻し)、毛引き、栄養障害等々、様々な疾患につながります。

小鳥に栄養をバランスよく摂らせるためには、飼い主さんに餌の内容や量を調整していただく必要があります!
シード(種子)の1日量は、最適体重の1~2割+α(種類・体質による)と言われています。(注:ブンチョウなど、フィンチでは2割よりも多めで大丈夫です。)ただし、
急に減らさないで下さいね。副食である野菜が食べられない小鳥は弱ってしまう場合がありますから。小鳥が健康を害さないように、適した餌の量を調べるのに1ヶ月はかけましょう。体重測定・体格チェックも忘れずに。季節や体調により、シード(種子)の種類や量は調整します。こぼしても食べられるように、金網の上には紙をひきます。心配な方は、かかりつけの獣医師の指示に従って下さい。
餌入れを取り換えると小鳥が餌を食べなくなってしまう場合には、今までの大きな餌入れを上げ底して利用できます。
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麻の実やヒマワリ、エゴマなど、油分の多いものは、できるだけ避けます。アワ・ヒエ・キビが中心でよいですから、品質の良いものを選んであげてください。老鳥用の商品もありますが、与える量が多ければ同じですよ。商品を替える場合には、1週間はかけて下さいね。香りや味わいが変わると食べない場合があります。

最近は、飼い主さんから「地震等の災害を考えるとシードを減らすことができない・・・」という話も聞きます。無理のないように考えて下さい。「シードは毎日山盛りに与えなくてもいいんだ!」と知ることが大切です。smiley

また、シード(種子)は発芽させて使うこともあります。あわ玉はヒナで軟らかくして使われますね。消化の状況、年齢や体質、病状により使い分けます。

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カナリア餌のこと

カナリアを飼育される方は少なくなりました。

カナリアには、ショーバードとしての歴史があります。それで、カナリアの飼い主さんは2タイプに分けられます。ペットとして普通にカナリアを飼育する方と、ショーバードを作りたい方、です。双方の目的が大きく異なるため、与える餌の内容が極端に違います。

昔から、東海地方の小鳥店で販売されているカナリア餌は、実は、ショーバード用の独特な商品です。種子餌には「エゴマ」などが配合され、極端に油分が多いことが特徴です。ショーバードとしては、短期で太らせたり、羽の発色が良くなるように、でしょうね・・・。この油分過剰な餌を与えると、外からは見えませんが、羽をかき分けて皮膚を見ると、体には黄色い脂肪が沢山ついています。色あげ用の粉も、油分と炭水化物が多く含まれています。このカナリア餌は、ホームセンターや小鳥店で、現在でも普通に販売されています。何の説明もないので、ペットのカナリアの飼い主さんが間違って買ってしまいます。大切に飼育して長生きさせようとして、カナリア餌を購入しているのに、カナリアは脂肪過多な餌で「短命になってしまう」という皮肉な結果となっています。ペットのカナリアでは、種子は「セキセイインコやブンチョウ用」の低脂肪な配合のものを使います。青菜にβカロチン(ビタミンAになるもの。羽の色を出す。)が入っていますから、青菜を毎日たっぷり与えると、羽はやわらかで、自然な美しい色になります。色あげ粉は?ペットとして飼育するなら要りませんよ。(どうしても与えるなら少しだけ。)青菜が苦手なら練習しましょう。それまでは、総合ビタミン剤(できればビタミン量の記載がある商品)をお水に入れておきましょう。青菜好きになるカナリアが多いです。ペレットでも、品質が良い小粒のものは利用できます。こうやって普通に飼育できます。

「小鳥店で販売しているカナリアが、どれも不健康そうに見えるんです。」とカナリアの飼い主さんがおっしゃいます。
確かに、カナリア餌が大きな餌箱に山ほど入れてあります・・・。羽の色は不自然に濃いです。膨羽しているカナリアもいます。

ペットのカナリアの飼い主さんへ。
購入されたら、カナリア餌から低脂肪の種子餌に変えて、青菜を与えて下さい。健康に育てなおして下さいね。